catch-img

製造業が人手不足に陥る原因とは?影響と対策を解説

近年、少子高齢化の影響によって、多くの業界で人手不足が深刻化しています。
製造業も例外ではなく、思うように人材を確保できないと悩んでいる担当者は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、製造業が人手不足に陥りやすい原因について、起こり得る影響や効果的な対策とともに紹介します。

この記事の目次[非表示]

  1. ・製造業における人手不足の現状
  2. ・製造業が人手不足に陥る原因
    1. ・少子高齢化による労働者人口減少
    2. ・人材の流動化と後継者不足
    3. ・3Kのマイナスイメージ
  3. ・製造業の人手不足によって生じる課題
    1. ・生産性と競争力の低下
    2. ・労働環境の劣悪化
    3. ・技術継承の阻害
  4. ・製造業における人手不足対策
    1. ・WebやSNSでイメージアップ戦略を実施する
    2. ・外国人労働者を登用する
    3. ・DXやAI活用により業務を効率化する
  5. ・まとめ

製造業における人手不足の現状

2017年時点の経済産業省の調査によると、
製造業において人材確保に関する「課題がある」「課題が顕在化している」と回答した企業は94.2%でした。

出典:「我が国製造業の主要課題①:「強い現場力の維持・向上」」(経済産業省)https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2018/honbun/html/honbun/101014.html

特に確保するのが難しい人材のタイプは「技能人材」と「デジタル人材」です。企業規模を問わず、
さまざまな分野で専門性の高い人材の確保が求められています。

製造業ならではの課題としては、就業者数全体の減少だけでなく、若者離れの深刻化もあげられます。
2022年時点の経済産業省の報告書によると、直近の20年間で製造業人口は約157万人減少しました。
なかでも34歳以下の若年層は、約121万人の減少を記録しています。

出典:「2022年版ものづくり白書」(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2022/index.html

製造業が人手不足に陥る原因

製造業が人手不足に陥っている主な原因を3つ紹介します。

少子高齢化による労働者人口減少

国内の労働年齢にあたる層の人口は年々減少し続けています。あわせて出生率も減少しており、将来的に企業が確保できる労働者数も限られる見込みです。

製造業においては、立地も労働者人口減少の影響を受けやすい理由になります。製造業では、地価が安い地方や郊外に工場を構えるケースがほとんどです。一方で人口は都市部へ流出する傾向があるため、地方や郊外で十分な人材を確保することが困難になるのです。

人材の流動化と後継者不足

人材の流動化や後継者不足も、人手不足の原因のひとつです。

終身雇用制度が崩壊しつつある現在では転職や独立開業が一般的になり、ワークライフバランスを重視した働き方も浸透してきています。高度な技術や知識をもった人材を中心に、多くの人材の流動化が進んでいるのです。

日本の製造業は、「言って聞かせる」「やらせてみる」といったOJTが主流です。まずは現場で10年程度の経験を積み、設計・開発といった他部署へ異動する流れが長年定着してきました。

人材の流動化が進んだ現代では、技術や知識を身に付けたベテラン層が退職してしまい、中堅層が残りにくい状態になっています。

その結果、若手への技術をスムーズに継承できず、後継者不足を引き起こしているのです。

3Kのマイナスイメージ

クリーンな職場環境が増えてきた製造業ですが、一般的なイメージが更新されているとは限りません。現在もなお、製造業に対して3K(きつい・汚い・危険)のイメージをもっている方はいます。

業務の特性上、製造業では24時間稼働している工場もあります。深夜や早朝勤務を避けたいと思う層にとっては、求人への応募をためらう要素です。

取り扱う製品によっては、原材料で体が汚れたり、高温下での作業で危険をともなったりするリスクが大きい点も、マイナスイメージにつながっています。

製造業の人手不足によって生じる課題

慢性的な人手不足が続くと、製造業には次のような悪影響が生じる場合があります。

生産性と競争力の低下

人手不足が深刻になると、受注に対応しきれなくなります。無理に少ない人員で生産しようとすると、専門外の業務を割り振る必要があり、各人材の本来の能力を引き出せません。

例えば、中堅にあたる人材に、新入社員が担当するような業務を任せることになります。専門性の高い業務や新たな価値を生み出せる仕事に専念できなくなれば、人材流出の原因になりかねません。

人材が流出することで、競争力の低下を招く場合もあります。

労働環境の劣悪化

人手不足が慢性化した場合、足りない労働力を補うのは既存の従業員です。一人当たりの作業量や負担が増えることから、休日出勤や残業が発生します。

ワークライフバランスが重視されている現代において、労働環境が劣悪だと人材の流出が起こりかねません。

技術継承の阻害

製造業が抱える課題として、若年労働者の不足があげられます。現状のまま若年労働者の不足が続くと、ベテラン層が定年退職を迎えたとき、社内に技術を継承できる存在がいなくなります。

人員がいても、必要な技術が継承できていなければ事業継続は困難です。業界を問わず、すでに継承者不足による廃業の例は少なくありません。

製造業における人手不足対策

製造業が人手不足から脱却するためには、現状を把握したうえで積極的なアクションをとることが大切です。

ここでは、効果的な人手不足対策を3つ紹介します。

WebやSNSでイメージアップ戦略を実施する

まずは、製造業に対する3Kのイメージを払拭することが大切です。製造業においても、IT技術の活用によって、劣悪な環境下や危険な場所で作業する機会は減少しています。

求職者に興味をもってもらうために、自社のWebサイトやSNSに実際の労働現場を動画や画像で紹介したり、社内イベントや実績などポジティブな情報を発信したりしましょう。

外国人労働者を登用する

人手不足を解消するために、外国人労働者を雇用する方法もあります。例えば、在留資格「特定技能」の利用があげられます。

特定技能の資格をもつ外国人労働者は、一定の専門性や技能を有しているため、即戦力として雇用できるでしょう。

DXやAI活用により業務を効率化する

人員を増やす方法とあわせて、DXやAI活用による業務効率化を図ることもおすすめです。

AIを活用すると、製造プロセスの一部を自動化できたり、人の手では時間がかかる複雑な作業を短縮できたりと、業務効率化が期待できます。業務効率化によって必要な人員を抑えられれば、人手不足の解消にもつながるでしょう。

まとめ

製造業の人手不足は、少子高齢化による労働者人口の減少、人材の流動化や後継者不足、3Kのマイナスイメージなど、複数の要因が重なって生じています。放置すれば、生産性や競争力の低下、労働環境の悪化、技術継承の阻害といった悪影響が連鎖的に広がりかねません。

対策としては、Webやリクルート活動を通じたイメージ改善、外国人労働者の登用に加え、DXやAI技術の活用による業務効率化が有効です。従来の単一的な動きに特化したロボットのみならず、複雑な作業に対応できるAI技術も普及しつつあり、人員数を増やさずに生産性を高める選択肢は広がっています。自社の状況に合わせて、無理なく取り組めるところから着手することが、人手不足解消への近道といえるでしょう。

メルマガ登録

人気記事ランキング