企業名:小林鉄工株式会社
住所:大阪市住之江区南港東3-2-76
業種:機械加工業
事業内容:大型機械部品の精密加工
主要製品:環境関連製品、発電プラント部品、産業用ポンプ部品
大阪市西区で創業以来、100年以上にわたり大型機械部品の加工を手がけてきました。1976年の大阪南港移転以降、最大径4.5mの立形旋盤や長さ8mまで対応可能なマシニングセンタなど、大型加工機14台を駆使し、高度な技術力で産業界を支えています。カーボンニュートラルへの世界的な潮流を見据え、事業再構築補助金を活用して最新鋭の門形5面加工機を導入しました。大型精密加工で培った技術を活かし、脱炭素化製品や海水淡水化製品の製造という新分野への挑戦を始めています。
事業類型:通常枠
転換内容:脱炭素化・海水淡水化製品を新規製造するための業態転換
既存事業:大型機械部品の精密加工
新規事業:環境関連製品の製造
導入設備:門形五面加工機(大阪機工製 MCR-B5)
設置場所:大阪市住之江区南港東 本社工場内
活用目的:環境製品の高精度加工体制の確立
世界的な脱炭素化の潮流により、従来の発電プラント関連部品の需要変化が予想される中、新たな収益の柱の構築が急務となっていました。「鉄工=環境負荷が高い」という従来のイメージを一新し、持続可能な事業モデルの構築も必要とされていました。高い技術力を持ちながらも、市場環境の変化に対応するための新たな一手が求められていました。
大型精密加工で培った技術を活かせる新規分野として環境関連製品に着目しました。発電プラントやポンプ関連の案件を数多く手がけてきた実績が、環境分野への展開を後押ししています。事業再構築補助金の活用を決断し、「脱炭素化製品製造」という明確な方向性と実現可能性の高さが評価され、採択されました。
門形5面加工機の導入により、従来の加工能力を大きく向上させています。工場長の北林憲治氏を中心に、チーム制による技術検討体制を構築。40代のリーダーを中心とした若手育成と、週2回の熟練技術者による技術伝承を組み合わせた人材育成を進めています。1976年の南港移転時には機械設置のため最長63mの杭打ちを行うなど、設備投資に対する強い意志は会社の伝統となっています。
火力発電プラントやポンプ関連の加工で培ってきた技術やノウハウを、環境製品製造に効果的に活用しています。立形旋盤、横中ぐり盤、ラジアルボール盤などの大型加工機14台による一貫生産体制という強みを活かし、環境関連製品の製造でも短納期・高品質な対応を実現しています。70年以上の取引実績を持つ顧客も多く、その信頼関係が新分野展開を支えています。
導入した門形5面加工機への期待は大きく、既存顧客からも「新しい仕事を頼めそう」との声が寄せられています。環境製品製造への参入により、従来の「鉄工」のイメージを刷新し、環境に配慮した次世代型製造業としての評価を得ています。2018年の台風で工場の屋根が破損した際には、多くの顧客が駆けつけて支援を申し出るなど、長年培った信頼関係が新事業展開の大きな力となっています。
チームによる加工条件と治具の検討により、「個の力」が「チームの力」へと進化しています。河田香社長は「期待通り、いやそれ以上に『個の力』が『チームの力』になっています」と手応えを感じています。若手技術者の成長も著しく、次世代を担う人材の育成も順調に進んでいます。
河田社長は「事業再構築補助金の申請にあたって、将来性と実現性を考えたとき、良い意味で『環境分野』しか選択肢がありませんでした」と語ります。世界的な環境配慮型社会の構築に向けて、大型精密加工のノウハウを活かした提案を続けていく考えです。顧客からは「楽しみだな」という期待の声も寄せられており、新分野での更なる成長が期待されています。
「採択にもっとも必要なことは、目標達成に向けた『本気』だと思います」という河田社長の言葉が、事業再構築補助金活用の核心を表しています。明確なビジョンと実現への強い意志が、新分野展開の成功につながっています。単なる設備投資ではなく、会社の将来を見据えた戦略的な転換が、補助金採択のポイントとなりました。
私たち山善は、数多くのお客様の補助金採択をサポートしてきた実績から、補助金申請の準備から採択までのポイント、最適な設備選定など、機械商社ならではの知見でサポートいたします。各種補助金の活用をご検討の際は、まずはお気軽にご相談ください。
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