企業名: 松下金属工業株式会社
住所: 大阪府東大阪市新町15-19
業種: 金属加工業
事業内容: ステンレスを中心とした機械加工
30年にわたり、ステンレス加工のスペシャリストとして実績を積み重ねてきました。現在の売上の約8割をステンレス加工が占めており、420J2、440C、316、630などの一般的なステンレスから、耐熱鋼、インコネル、シリコロイといった難削材まで幅広く対応。他社が敬遠しがちな難しい案件にも積極的に取り組む姿勢が評価され、近年では医療機器や理化学機器の開発支援分野にも進出しています。独自に構築した切削条件のデータベースと、ベテラン職人の技能をデジタル化する取り組みにより、高精度加工と納期厳守を両立させています。
事業類型: 通常枠
転換内容: 医療・理化学機器向け部品製造への業態転換
既存事業: ステンレス系を中心とした機械加工
新規事業: 医療機器・理化学機器部品の製造
導入設備: 複合加工機
活用目的: 医療・理化学分野向け高精度加工体制の確立
ステンレス加工では、工具寿命の短さと精度のばらつきが大きな課題となっています。刃先への熱の集中による溶着や、素材の加工硬化の大きさから、条件設定と工具選定には高度な判断が求められます。
納期と高精度を両立させるため、同社では10年以上にわたり独自のデータ構築を進めてきました。工作機械メーカーや切削工具メーカーの推奨条件を基礎としながら、実際の加工現場での経験値を数値化。現場での知見を体系的にデータベース化することで、類似案件での検討時間を大幅に短縮できています。
30年の事業展開で蓄積された技術の継承に向けて、従来の職人技能依存からの脱却を図っています。ベテランと若手が協働で加工条件を検討し、その過程と結果をデータ化する仕組みを構築。組織的な技能伝承システムとして定着させています。
医療機器や理化学機器の開発支援では、加工工程だけでなく設計段階からの提案も行っています。品質、工数、材料調達費を含めたトータルコストの観点からの技術提案が、顧客から高い評価をいただいています。
医療機器、理化学機器向けの部品加工分野への展開は、着実に実を結びつつあります。既存取引先を通じた実績づくりを進めることで、新規分野における信頼性を着実に築き上げています。その成果は、ウェブサイトを通じた新規問い合わせの増加という形でも表れてきました。
「医療・理化学分野にいかに貢献できるかを重視しました。今回導入する複合加工機による工程集約と高精度加工は、この分野での競争力を高める大きな武器となります」と語る松下氏。長年培ってきた難削材加工技術と新規設備による加工精度の向上により、医療機器や理化学機器向け部品加工のさらなる受注拡大が見込めます。また、設計段階からの製造支援という同社独自のアプローチは、医療・理化学分野における新しいビジネスモデルとして注目を集めています。
医療・理化学分野という成長市場に対して、既存の難削材加工技術を活かした具体的な展開策を示せたことが高く評価されました。特に、データベース化された加工技術と新規設備の組み合わせによる高精度加工の実現性が、採択の決め手となっています。
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