【6月度 業界トピック】予知保全と自動化で生産性向上

今月は、製造現場の生産性向上、コスト削減、そして人手不足の解消に直結する「スマートな自動化」と「高精度化」に焦点を当てた記事が目立ちました。
工具の摩耗検知による予知保全、高精度加工における工程集約、そして食品業界における搬送・梱包工程の完全自動化といった、まさに今の製造業が抱える課題を解決に導く具体的なソリューションが見えてきます。


この記事の目次[非表示]

  1. ピックアップ記事
    1. 中村留、工具の摩耗検知サービス
    2. 安田工業、プライベートショーに430人
    3. 山善、FOOMA JAPANで食品業界の下流工程をロボで自動化提案
  2. まとめ

ピックアップ記事

中村留、工具の摩耗検知サービス

今回の注目は、中村留精密工業が提供を開始したIoTサービス「Dr. Tool」の新しい摩耗検知機能です。
高価なワークを扱う加工現場では、工具の不良は絶対に避けなければなりません。そのため多くの現場では、加工ワーク数や稼働時間を基準に、安全マージンを大きく取った工具交換を実施してきました。
しかし、この方法では必要以上に早いタイミングで工具を交換することになり、工具コストが膨らんでしまうという問題がありました。

今回の新機能は、工具の電流値データを活用し、加工負荷の推移を可視化することで、工具の破損前に機械を停止させるという画期的なアプローチを採用しています。
これにより、工具の適切な交換タイミングを個々の工具の状態に合わせて判断できるようになり、無駄な工具交換を減らしつつ、突発的な破損による生産トラブルを大幅に低減することが期待できます。
まさに、データに基づいた予知保全が、製造現場のコスト削減と生産性向上に直結する好事例といえるでしょう。


  中村留、工具の摩耗検知サービス|News|Mono Que <モノクエ> https://monoque.jp/news/197480831be6c05395874b16e248afaccafbf64d/


安田工業、プライベートショーに430人

安田工業が本社工場で開催したプライベートショーでは、高精度加工の自動化と生産性向上に主眼が置かれた展示内容が注目されました。
特に印象的だったのは、高精度金型加工向けの「YBM Vi50」とEROWA製AWCの組み合わせで、チャックシステムが2ミクロンの精度を保証し、外段取りによる高精度加工の自動化を訴求している点です。
これにより、夜間や休日も効率的に加工が可能になるというポイントは、人手不足の解消と稼働率向上を目指す私たち製造業にとって非常に魅力的な提案といえます。
また、「YMC430」ではマシニングセンタとジグ研削を一台でこなす「工程集約」のデモが披露されました。技術継承が困難な現代において、機械に置き換えて標準化していくという考え方は、まさに未来のモノづくりを支える重要なキーワードになるでしょう。
さらに、機械精度を長期間維持するためのキサゲ加工の重要性を体験できるコーナーも設けられており、高精度加工の根幹を支える技術へのこだわりが感じられますね。



  安田工業、プライベートショーに430人|News|Mono Que <モノクエ> https://monoque.jp/news/ef619d7f7afd1c37f4b2f2bbb94e9bf10e3464f7/



山善、FOOMA JAPANで食品業界の下流工程をロボで自動化提案

私たち山善は、FOOMA JAPANにて、食品工場における下流工程の完全自動化ソリューションを提案しました。
特に、深刻な人手不足が課題となっている食品業界において、これまで見過ごされがちだった包装・梱包・パレタイズ・搬送といった後工程の自動化ニーズが高まっているという背景があります。

今回の展示では、初出展の「ロボ・ケーサー」を軸に、AMR(自律移動ロボット)やロボこたつによるワーク投入、協働ロボット活用のパレタイズシステムを組み合わせることで、工程間の連携を含めたトータルな自動化ラインを具現化しました。
ロボ・ケーサーは多関節ロボットを活用し、段ボールの取り出しから製函、箱詰め、封函までをコンパクトに自動化できる点が特徴的です。
さらに、タッチパネルで寸法を入力するだけで段取り替えができるオートサイズチェンジ機構も搭載しており、多品種少量生産にも柔軟に対応できるというメリットがあります。
食品製造業を取り巻く環境が厳しさを増す中、私たち山善が持つ搬送領域での強みを活かした柔軛な自動化提案が、お客様の生産性向上と競争力強化に欠かせない要素になっています。


  山善、FOOMA JAPANで食品業界の下流工程をロボで自動化提案|News|Mono Que <モノクエ> https://monoque.jp/news/68f08a3bfcbefdd2e47fc8689737c839e0dc20d1/



まとめ

2025年6月の注目ニュースからは、製造業が直面する課題、特に人手不足や生産コストの高騰に対して、いかに技術革新で立ち向かうべきかという明確な方向性が見えてきました。
工具の摩耗をデータで予測する予知保全、複数の工程を一台で完結させる工程集約、そしてロボットとAIを組み合わせた後工程の完全自動化は、いずれも生産効率の最大化と品質の安定化を目指す上で不可欠な取り組みといえます。

これらの動向は、単なる最新設備の導入にとどまらず、製造現場全体のスマート化と持続可能性を追求するという、より大きな流れの中に位置づけられます。
私たちは、これからもお客様と共に、最新の技術やソリューションを深掘りし、それぞれの現場に最適な形で「ものづくり」の未来を切り拓いていくことをお勧めします。自動化や高精度化を通じて、貴社の競争力強化を支援できると確信しています。
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私たち山善では、製造業における最新動向や技術トレンドについて、メールマガジンを通じて定期的に情報を発信しています。


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