【ブルーム-ノボテスト】機上測定ソフトウェア フォームコントロールX(エックス):マシニングセンタでのワークの高精度測定と追込み加工プロセスの自動化
工作機械業界において、高精度測定と加工プロセスの自動化は生産性向上の鍵となっています。ブルーム-ノボテストの機上測定ソフトウェア「フォームコントロールX」は、この課題に画期的な解決策をもたらします。
本記事では、フォームコントロールXの特長や導入メリット、実際の活用事例を詳しくご紹介します。
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【ブルーム-ノボテスト】マシニングセンタ用機上測定ソフトウェア フォームコントロールXについて
ブルーム-ノボテストについて
ブルーム-ノボテストは、工作機械向けの測定・試験技術を提供する世界的なリーディングカンパニーです。高品質な測定システムと革新的なソフトウェア製品で、製造業の生産効率向上と品質確保に貢献しています。
フォームコントロールXについて
フォームコントロールXとは
フォームコントロールXは、加工後のワーク形状の測定&視覚化を行うマシニングセンタ用の先進的な機上測定ソフトウェアです。一般的な測定プログラムでは対応出来ないワークの自由曲面や複雑な形状に対し、CADモデルを読み込み、測定箇所をマウスクリックすることで、測定箇所に対して面直な測定パスを簡単に作成することが可能です。更に、芯出しで使用しているタッチプローブで機上測定を行い、測定結果をCADモデルと比較し、予め設定された許容値に対するOK/NGの判定をPCやタブレットなどで確認することができます。
測定の自動化を実現
夜間生産において、夕方帰宅する前にマシニングセンタの起動ボタンを押し、加工を開始。但し、翌朝は測定を実施するだけで午前中が終わってしまうことはないでしょうか?フォームコントロールXを使用すれば、翌朝、出社した時点で測定まで完了しているため、すぐに測定結果を確認頂けます。また、加工途中や加工後の測定を通じた監視、統計的工程管理を行い、生産性の最大化と不良品の削減を可能にします。
フォームコントロールとフォームコントロールXとの違いは?
フォームコントロールXは、従来のフォームコントロールの機能を大幅に強化し、より使いやすいインターフェースと高度な自動化機能を提供しています。特に、クライアントサーバー方式の採用で、複数の機械とPCやタブレットなどのウェブ端末間でのデータ共有が可能になりました。
フォームコントロールXの特長
複雑な測定プログラムを簡単に作成
フォームコントロールXは、直感的な操作性が特長です。CADモデルの形状認識機能がワークの幾何形状を自動認識し、適切な測定点や評価項目、標準的な許容値を対話式で表示するため、複雑なワーク形状でも短時間でプログラム作成が可能です。
加工プロセスの自動化
統計的工程管理機能により、工具ごとの補正値の計算や、警告値・限界値の設定が可能です。これにより、作業者へのアラーム通知や不良部品の自動判別、工具摩耗の自動補正など、加工プロセスの高度な自動化を実現します。
データ分析によるプロセス改善
測定結果はグラフ化され、ウェブブラウザで、フォームコントロールXをインストールしていないPC、タブレット等でも確認ができます。長期間にわたる測定が可能で、これらのデータを機械や工具の評価、最適化にも活用できます。
高精度測定
高度な数学的処理を使用しているため、測定プロセスでの調整作業は不要です。測定までの待機時間を短縮し、高精度な測定を効率的に行うことができます。
様々なマシニングセンタで使用可能
様々なメーカーのマシニングセンタでの使用も、機械ライセンスを追加することで可能となります。PCソフトウェアは拡張性があり、プローブ本体が他社製のものでもご使用頂けます。
測定自動化ソフトウェアの比較
性能/価格
ブルーム-ノボテスト社 |
A社 |
B社 |
|
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性能 |
◎ |
○ |
△ |
使いやすさ |
◎ |
△ |
○ |
価格 |
△ |
○ |
◎ |
フォームコントロールXは、高度な機能と使いやすさを両立させた製品です。初期投資は他の測定自動化ソフトウェアと比較してやや高めですが、生産性向上と品質改善による長期的なコスト削減効果を考えると、十分な投資価値があります。
製品について更に興味を持った方は以下よりカタログをダウンロードいただけます。
また、気になる具体的な費用に関しては、お客様の状況に合わせた最適なプランをご提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。
フォームコントロールXのメリット/デメリット
【メリット①】生産性の向上と最終品質の確保
フォームコントロールXは、荒、中荒での仕上げ加工前の残り代の確認や仕上げ加工後の自動測定モニタリングを実現し、ワークをクランプしたまま追加工ができます。これにより、生産性が大幅に向上し、同時に高い品質精度を維持できます。測定結果に基づく自動補正機能にて、不良品の発生を最小限に抑え、最終品質を確実に確保します。
【メリット②】手動作業の削減でコストダウン
複雑な測定プログラムを簡単に作成する機能や、ワークの自動アライメント機能により、手動作業の大幅な削減が可能になります。これらは、作業者の負担軽減と人的ミスの防止につながり、人件費の削減と作業時間の短縮が実現します。結果として、全体的な製造コストの低減に貢献します。
【メリット③】データに基づく統計的品質管理
フォームコントロールXは、測定データを自動的に記録し、統計的工程管理を可能にします。長期間にわたるデータ分析や、リアルタイムでの工程評価により、製造プロセスの継続的な改善が可能になります。また、測定結果を視覚化し、ウェブブラウザで確認できるため、品質管理の効率化と視覚化の向上にもつながります。
【デメリット】初期コストが必要
フォームコントロールXの導入には、ソフトウェアライセンス費用や、対応するハードウェア(測定プローブなど)の購入、さらに従業員のトレーニングコストなど、一定の初期投資が必要となります。特に小規模な製造業者にとっては、この初期コストが導入の障壁となる可能性があります。ただし、長期的には生産性向上とコスト削減によって投資回収が見込めるため、導入する価値は十分にあります。
機上測定の自動化が不可欠!高精度の金型加工事例
金型加工と機上測定の今後のトレンド
金型加工業界では、より高精度かつ効率的な製造プロセスが求められています。そのため、フォームコントロールXのような先進的な測定自動化ソフトウェアの導入が、今後ますます重要になると予想されます。
導入事例
金型メーカーA社様の導入事例
金型メーカーのA社様は、金型加工における精度確認と追加工プロセスの効率化を目指し、フォームコントロールXを導入しました。
導入前は、加工後のワークを測定室まで運び、三次元測定機で精度確認を行う必要がありました。この過程では、運搬や原点設定に2〜3時間もの時間もかかり、追加工が必要な場合は再度機械に戻して芯出しからやり直す必要もあるため、多大な工数と時間を消費してしまうことが課題でした。
そこで、フォームコントロールXを導入し、タッチプローブを用いた機上での自動測定システムを構築し、測定結果が許容値を超えた場合には即座に追加工を行う「自動測定&追加工プロセス」を確立しました。技術的判断が必要な部分はエンジニアが担当し、自動化可能な部分はシステムに任せる形で運用を開始。
導入後の効果として、ワークの精度確認にかかる工数と時間が大幅に削減され、加工後すぐに精度確認が可能となり、測定室への運搬や機外測定機での原点設定などが不要になりました。また、良品判定により不良品の排出を抑制し、エンジニアが自信を持って後工程に回せるようになりました。さらに、追加工の工数と時間も大幅に短縮され、特に再芯出しが不要になったことで効率が向上。このシステムは現在、社内の様々な加工機で活用されています。