【2024.4月】 製造業における事業再構築補助金活用とは

製造業に携わる方々の中には、コロナ禍で売上が大きく減少し、今後の事業展開に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。新規事業に挑戦したいけれど資金面でのリスクが心配、あるいは競争力強化のために設備投資をしたいもののなかなか踏み出せない、そんな課題を抱えている企業も少なくありません。
製造業、特に金属加工分野において、事業再構築補助金は新たな事業展開や技術革新を支援する重要な制度です。この補助金を活用することで、そうした課題を解決し、新たな可能性を切り開くチャンスがあります。
本記事では、この補助金の概要や具体的な活用方法、注意点などを詳しく解説します。

この記事の目次[非表示]

  1. 事業再構築補助金とは?製造業での活用事例と概要
    1. 事業再構築補助金の申請枠と補助金額
    2. 事業再構築補助金の要領
    3. 第12回公募事業再構築補助金のスケジュール
  2. 前回の事業再構築補助金からの主な変更点
    1. 事前着手制度の原則廃止
  3. 事業再構築補助金の「対象」と「対象外」の取り組み
    1. 製造業が対象となる取り組み
    2. 対象外となる取り組みと注意点
  4. まとめ

事業再構築補助金とは?製造業での活用事例と概要

事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業等の事業再構築を支援するための補助金制度です。
製造業での活用事例としては、以下のようなものがあります:

  • 自動車部品メーカーが医療機器部品製造に進出
  • 金属加工技術を活かした再生可能エネルギー関連部品の製造開始
  • 従来の切削加工から3Dプリンティング技術への移行

これらの事例は、既存の技術や設備を活かしながら、新たな市場や製品分野に挑戦する取り組みを示しています。例えば、長年培ってきた金属加工技術を基盤に、最新の3Dプリンティング設備を導入することで、生産性を向上させつつ新市場への参入を果たすことができます。また、既存設備をアップグレードすることで、人手不足を解消しながら効率的に新分野へ挑戦することも可能です。


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令和6年度補助金一覧

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事業再構築補助金の申請枠と補助金額

事業再構築補助金には5つの事業類型があります:

  • 成長分野進出枠(通常類型)
  • 成長分野進出枠(GX進出類型)
  • コロナ回復加速化枠(通常類型)
  • コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
  • サプライチェーン強靱化枠

成長分野進出枠(通常類型)を例に挙げると下記になります:

  • 補助金額: 最大7千万円(一部の類型では最大1.5億円)
  • 補助率: 中小企業 1/2、中堅企業1/3(一部の類型や条件によって変動あり)

同一法人・事業者での各事業類型への応募は、1回の公募につき1申請に限ります。申請後の事業類型の変更はできませんので、申請の際には十分にご検討ください。
詳しい補助金額や申請要件をお知りになりたい方は、「製造業向け補助金活用ガイド」ホワイトペーパー」をご覧ください。

事業再構築補助金の要領

事業再構築補助金の主な要件と補助対象経費は以下の通りです:

  • 事業再構築指針に沿った「事業再構築」であること
  • 認定経営革新等支援機関と連携して事業計画を策定すること
  • 補助事業終了後3~5年で、付加価値額または従業員一人当たりの付加価値額が年率平均3.0%~5.0以上増加する計画であること


補助対象経費には、建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費、研修費などが含まれます。
工作機械や周辺機器の導入も、事業再構築の一環として行われる場合は補助対象となる可能性が高いです。例えば、5軸マシニングセンタの導入により複雑形状部品の一体加工を実現し、新分野に進出するケースなどが考えられます。5軸加工を活かした製品としては、航空機エンジンのタービンブレードや医療用プロステーション、高級時計の部品などの例が挙げられます。

第12回公募事業再構築補助金のスケジュール

公募期間は、以下のスケジュールです。

  • 公募開始:令和6年4月23日(火)
  • 申請受付:令和6年5月20日(月)18:00
  • 応募締切:令和6年7月26日(金)18:00

事業再構築補助金 第12回 公募スケジュール

参考資料:事業再構築補助金 公募要領(第12回)

前回の事業再構築補助金からの主な変更点

事前着手制度の原則廃止

第11回公募まで認められていた事前着手制度が、原則廃止されました。これにより、これまで認められていた交付決定前の事業開始が、原則としてできなくなりました。この変更に伴い、多くの申請者は補助金の交付決定を受けてから事業を開始する必要があり、申請から事業開始までの期間が長くなる可能性があります。

事業再構築補助金の「対象」と「対象外」の取り組み

製造業が対象となる取り組み

製造業では、以下のような取り組みが事業再構築補助金の対象となります:

  1. 新製品開発:従来の旋盤加工技術を応用して医療機器部品の製造に参入する。
  2. 新生産方式の導入:最新のCNC工作機械や3Dプリンタを導入し、多品種少量生産体制を構築する。
  3. 新市場開拓:自動車部品製造の技術を活かし、航空宇宙産業向け部品製造に進出する。

例えば、以下のようなケースが補助金の対象となる可能性があります。

設備導入例
事業再構築の内容
5軸マシニングセンタ

複雑形状部品の一体加工による新分野進出

レーザー加工機

従来の切削加工から非接触加工への転換

ロボット自動化システム

24時間稼働体制の構築による生産性向上

※ただし、単なる設備更新は補助金の対象外となりますので、新たな取り組みとの組み合わせが重要です。

対象外となる取り組みと注意点

以下のような取り組みは、事業再構築補助金の対象外となる可能性が高いので注意が必要です:

  1. 単なる設備更新や能力増強
  2. 既存製品の製造方法の小さな改善
  3. 研究開発のみを目的とした投資
  4. 既存事業の廃止のみを行う場合
  5. 事業再構築の定義に該当しない事業転換

例えば、古い旋盤を新しい旋盤に置き換えるだけの設備更新や、既存の生産ラインの小規模な改善などは対象外となります。

まとめ

事業再構築補助金は、製造業、特に金属加工分野において新たな挑戦を支援する強力な制度です。申請にはしっかりとした準備と計画が必要ですが、自社の強みを活かした事業再構築の提案、明確な数値目標の設定、具体的な実施計画の策定が重要です。
また、事業再構築補助金だけでなく、他の補助金制度も併せて検討することで、より効果的な事業展開が可能となります。
補助金を活用して、5軸マシニングセンタやレーザー加工機などの新規導入により、新規分野への参入や既存事業の転換などを模索されている方、補助金の申請に不安がある方、ぜひ私たちにお問い合わせください。


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