補助金の採択率を上げる加点項目6選|取得しやすい順に解説

補助金の採択率は年々低下傾向にあるといわれています。
そんな中で採択を勝ち取るために重要になるのが「加点項目」です。

加点項目とは、補助金申請において審査点数が上乗せされる要素のこと。
申請書の内容がどれだけ優れていても、加点項目を持っている申請者と持っていない申請者では、スタートラインが違ってきます。実務上、最低でも2つは取得しておくことが推奨されています。

本記事では、中小企業が取得できる主な加点項目を難易度別に整理し、それぞれの概要と取得方法を解説します。

この記事の目次[非表示]

  1. 補助金申請における加点項目の重要性
  2. 【難易度★☆☆】すぐに取得できる加点項目
    1. パートナーシップ構築宣言
    2. 成長加速マッチングサービス
  3. 【難易度★★☆】1〜2ヶ月で取得できる加点項目
    1. 事業継続力強化計画
    2. くるみん認定・えるぼし認定
  4. 【難易度★★★】準備に時間がかかる加点項目
    1. 経営革新計画
    2. 健康経営優良法人認定
  5. 加点項目と対象補助金の対応表
  6. まとめ|優先順位の考え方

補助金申請における加点項目の重要性

ものづくり補助金事業再構築補助金など、多くの補助金では加点項目が設定されています。
これらの加点は採択率に直結する要素であり、申請書の完成度と同じくらい重要といっても過言ではありません。

加点項目の中には、申請してすぐに取得できるものから、認定まで1〜2ヶ月かかるものまでさまざまです。
補助金の公募開始後に慌てて準備を始めると間に合わないケースもあるため、日頃から取得できるものは取得しておくという意識が大切です。

【難易度★☆☆】すぐに取得できる加点項目

以下では、取得の難易度が低い順に紹介していきます。

パートナーシップ構築宣言

パートナーシップ構築宣言は、取引先やパートナー企業と公正な関係を構築していくことを宣言するものです。大企業と中小企業の取引適正化を目的として推進されています。

取得方法は非常にシンプルで、専用のポータルサイトから申請するだけ。申請後すぐに掲載されるため、最も手軽に取得できる加点項目といえます。まだ取得していない企業は、まずここから始めるとよいでしょう。

成長加速マッチングサービス

成長加速マッチングサービスは、中小企業庁が運営するプラットフォームです。企業と金融機関や認定支援機関などの支援者をマッチングするサービスで、登録自体は無料で行えます。

こちらも登録後すぐに掲載されますが、加点を受けるためには経営課題の登録も必要となる点に注意してください。
単に登録しただけでは加点対象にならないケースがあります。

【難易度★★☆】1〜2ヶ月で取得できる加点項目

事業継続力強化計画

事業継続力強化計画は、自然災害などに備えた防災・減災対策の計画を策定し、認定を受ける制度です。いわゆるBCP(事業継続計画)の簡易版といった位置づけで、中小企業でも取り組みやすい内容になっています。

認定までには公式には45日程度かかるとされています。補助金の公募スケジュールを見据えて、早めに準備を進めておきたいところです。

なお、この制度は加点項目としてだけでなく、防災関連設備(蓄電池やスプリンクラーなど)を導入する際の税制優遇にもつながります。一石二鳥の効果が期待できる制度です。

くるみん認定・えるぼし認定

くるみん認定は子育てサポート企業、えるぼし認定は女性活躍推進企業として認定を受ける制度です。
育児休業の取得率や女性の採用比率など、一定の基準を満たす必要があります。

認定までには約30日かかります。すでに社内の制度が整っている企業であれば、比較的スムーズに取得できるでしょう。

これらの認定は補助金の加点になるだけでなく、下記記事で紹介した賃上げ促進税制の上乗せ要件(+5%)にも該当します。採用活動においても企業イメージの向上につながるため、取得するメリットは大きいといえます。

【難易度★★★】準備に時間がかかる加点項目

経営革新計画

経営革新計画は、新しい事業や新しい手法によって経営を成長させる計画を策定し、都道府県知事の承認を受ける制度です。単なる設備投資ではなく、「革新性」が求められる点がポイントとなります。

承認までには1〜2ヶ月程度かかります。計画の内容が曖昧だったり、裏付けとなる分析が不十分だったりすると、差し戻しを受けることもあるため、余裕を持った準備が必要です。

難易度は高めですが、その分だけ加点としての評価も高い傾向があります。本気で採択を目指すのであれば、チャレンジする価値のある加点項目です。


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健康経営優良法人認定

健康経営優良法人認定は、従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践している企業を認定する制度です。経済産業省が推進しており、中小企業向けの「ブライト500」「ブライト5000」といった区分があります。

この認定の特徴は、認定のタイミングが年1回に限られている点です。申請時期を逃すと1年待たなければなりません。補助金申請に間に合わせるためには、かなり早い段階から準備を始める必要があります。

認定を受けると専用のロゴマークが使用でき、採用活動や企業ブランディングにも活用できます。長期的な視点で取り組む価値のある制度といえるでしょう。

加点項目と対象補助金の対応表

加点項目によって、対象となる補助金が異なります。申請を予定している補助金に合わせて、優先的に取得する項目を検討してください。

加点項目

ものづくり補助金

省力化補助金
(一般型)

省エネ補助金

新事業進出
補助金

パートナーシップ構築宣言

事業継続力強化計画

経営革新計画

くるみん・えるぼし認定

成長加速マッチングサービス

健康経営優良法人認定

経営力向上計画

※対応状況は補助金の公募回によって変わることがあります。最新の公募要領で確認してください。

まとめ|優先順位の考え方

補助金申請における加点項目は、採択率を高めるための重要な要素です。最低でも2つは取得しておくことをおすすめします。

優先順位としては、まずパートナーシップ構築宣言や成長加速マッチングサービスなど、すぐに取得できるものから着手するのが現実的です。そのうえで、事業継続力強化計画や経営革新計画など、認定に時間がかかるものを計画的に準備していくとよいでしょう。

補助金の公募が始まってから慌てて準備するのではなく、日頃から取得できるものは取得しておく。
その積み重ねが、いざというときの採択率向上につながります。

設備投資に伴う税制優遇制度の活用も併せて検討すると、補助金と税制のダブルでメリットを得られます。

私たち山善では、工作機械や生産設備の導入を検討されているお客様に対して、補助金活用のサポートも行っております。補助金のスケジュールに合わせた設備選定や、申請に必要な見積書の作成など、設備投資を総合的にお手伝いいたします。

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