【12月度 業界トピック】JIMTOF2024の最新技術特集
工作機械業界の最新動向や技術革新について、モノづくり総合ニュースサイト「Mono Que」で公開された12月の注目記事をご紹介します。中でも、JIMTOF2024で披露された先進技術や各メーカーの最新の取り組みに焦点を当てた記事を厳選しました。
この記事の目次[非表示]
ピックアップ記事
JIMTOFブース訪問
JIMTOF2024の各社ブース取材から、牧野フライス製作所、岡本工作機械製作所、北村製作所、日研工作所、育良精機の5社の展示内容をピックアップして解説している記事を紹介します
各社の展示からは、自動化・省人化への対応、高精度加工技術の進化、環境への配慮といった、今日の製造現場における重要な課題に対するソリューションが提示されていることが分かります。
例えば、牧野フライス製作所は、金型加工向け3軸MC「V300」「V900」において、ソフトウェアの改良により高精度加工と長時間自動運転を両立させています。これは、熟練オペレーター不足に悩む現場にとって、大きなメリットと言えるでしょう。
また、岡本工作機械製作所は、EV向け研削加工に脆性材加工技術を提案。高能率加工を実現する「UGM64GC」や、大型ワークに対応可能な立軸ロータリー研削盤「VRG10DX」など、EV化という時代の変化を捉えた最新鋭の工作機械を展示しました。
さらに、日研工作所は、工具寿命を大幅に向上させる「ナノジェットシステム」や、自動化現場における防錆対策として「黒のソリューション」を提案。生産性向上と品質安定化に貢献する技術として注目を集めました。
JIMTOF2024 検証
JIMTOF2024の全体的なトレンドを分析した記事を紹介します。
大型ワークへの対応、30番マシン・歯車加工への参入の増加、FSWのスポット溶接的な利用、センサー活用による自動化の進化、そして熱影響を抑えたレーザー加工の微細用途への展開など、多岐にわたる技術革新が展示されていました。
特に注目すべきは、EVシフトを背景とした大型アルミ部品加工への対応です。ヤマザキマザック、コマツNTC、新日本工機、三井精機工業などが、大型ワークに対応する工作機械を相次いで発表しました。 これは、部品の一体化による軽量化や組み立て工数の削減といったメリットを享受できることから、今後ますます需要が高まる分野と言えるでしょう。
また、歯車加工においても、EV化に伴う静音化への要求の高まりを受け、ノイズゼロを目指す技術開発競争が激化しています。日本クリンゲルンベルグ、グリーソンアジア、TPR大阪精密機械などが、ゴースト音の測定や原因解析、そしてそれを抑制するための仕上げ加工技術を提案。 高精度な歯車加工技術は、EVのみならず、あらゆる機械の静音化に貢献する可能性を秘めています。
さらに、測定分野においても、工程集約とセンサー活用による効率化が進んでいます。ミツトヨ、ヘキサゴン、東京精密などが、ロボットを活用した自動測定システムや、機上測定、センサーによるリアルタイム測定など、測定作業の省力化と高精度化を実現するソリューションを提案。 これらの技術は、人為的ミスを減らし、品質の安定化に大きく貢献することが期待されます。
まとめ
今回ご紹介した記事から見えてくる工作機械業界の主要トレンドとして、大型ワークへの対応力強化、自動化・省人化の推進、加工精度の向上、そして新素材への対応が挙げられます。特にEVや航空機部品などの大型で複雑な形状を持つ部品への需要拡大に伴い、各メーカーは大型加工機やロボット切削、ミネラルキャストなどの技術開発を積極的に進めています。
また、深刻化する人手不足への対応や生産性向上という課題に対して、自動化技術と工程の効率化が重要な解決策として注目されています。JIMTOF2024では、自動棒材供給機、ワーク搬送ロボット、ATCを搭載したロボットなど、多様な自動化技術が展示されました。これらの技術導入により、従来人手に依存していた作業の自動化が可能となり、生産性の向上と人材不足の解消が期待できます。
私たち山善では、製造業における最新動向や技術トレンドについて、メールマガジンを通じて定期的に情報を発信しています。